なぜ「らいら」なんですか?

自己紹介で「らいらです」と名乗ると、
かなりの確率で名前の由来を聞かれます。
「らいら」は私のライターネーム。
別に本名を隠しているわけではないから、
堅めの取材先では
名字を名乗ることもあります。
でも、仕事先ではすっかり馴染んでいて、
いろんな方から「らいらさん」と
呼ばれるようになりました。
読者さんからも認識いただいているので、
距離感が近い感じがすごくうれしい。
実は「らいら」の名付け親は、
高校時代の同級生。
放課後、ケータイのメールアドレスの
@以前は何がいいか悩んでいたら、
英語で「Lyra」が「こと座」を意味すると
電子辞書で見つけてくれたんです。
私の本名は「琴恵」(ことえ)。
響きがいいしスペルもシンプル!
それから10年以上経ちますが、
今でもメールアドレスの一部には
「lyra」を使わせてもらっています。
そんな愛着のある名前とともに、
この仕事を始めたのは約6年前。
”Webライター”という職業が
それほど世に浸透していなかった頃です。
それどころか、個人が本名と顔出しで
ネットで意見を発信するなんて、
危険!怖い!という風潮。
YouTubeが「好きなことで、生きていく」
キャンペーンを打ったのは、その1年半後。
SNSも(Facebook以外は)
匿名発信が当たり前で、
「インフルエンサー」なんて
言葉も一般には浸透していませんでした。
本当は堂々と情報発信をして、
いずれ本名で出版するんだ!
そんな理想も私の頭の片隅には
あったと思います。
佐賀にいたころの私
どんな時代であろうとも、
自分がやりたいと思うなら、
「私が時代を変えてやる!」
そのくらいの意気込みで
新しい世界に飛び込めばよかったのに。
「本名なのは企業所属の記者か、
記者経験のあるフリーランスばかりだから、
未経験の私は素人らしくしておこう」
「ライトな女性向けメディアを
中心に記事を書くなら、本名は逆に浮きそう」
未経験から来る自信のなさと、
自分が作り出した正体のない
”空気感”に怖気づいた結果、
私は自分を表すもう一つの名前を
名乗ることにしたのです。
でも今では、冒頭の話のように
会話のきっかけを作ってくれるし、
親近感にもつながるから結果オーライ。
自信のコップが底をついて、
カラカラになったときの
後ろ向きな選択も自分の一部なんです。
それがいつか違う形で
喜びを運んでくれるのなら、
かっこ悪い判断も悪くない。
「なぜ『らいら』なんですか?」
と聞かれるたびに、
昔の自信なさげで、空気を読んで、
ライターって名乗っていいのかなって、
佐賀の実家で所在なさそうにしていた
愛おしい自分を思い出すのです。


Lyra Blog

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