本はダサくないと売れない

私は書店巡りが趣味なので、海外旅行でもその土地の大型書店をよく覗きに行く。
今日はホーチミンの大型書店「グエンフエ書店」に行ってきた。

そこで衝撃だったのが、ベトナム書籍の装丁デザインが洗練されていたこと!
正直発展途上国って、デザインや文学といった文化は未成熟なイメージだった。
なんでも実際に見てみないとわからないものね。

もちろん海外書籍の翻訳版で、デザインはそのまま言葉だけベトナム語にしたものもある。
でもどれも原典の雰囲気を崩していなくて、原典へのリスペストがある感じ。

ベトナムだけでなく、割と海外はそれが当然みたいだけど、日本の場合は「●万部突破!」「●●がXXで大絶賛!」等々宣伝文句がデカデカと書かれた帯がついてしまうんだよね。
装丁家はきっとデザインの1/4が隠れる帯なんてイヤだろうけど、そうした方が売れるのだからしょうがない。

もっと言うと、Mac Fanで編集の仕事をやらせてもらえるようになったとき、「本はある程度のダサさがないと売れない」と言われた。
スタイリッシュな雑誌が何誌休刊したことか…。
だからMac Fanの表紙も“あえて”あんな感じにしていると。
それをわかってデザインできるのがプロのデザイナーなんだと。

そんなエピソードをホーチミンの書店で思い出しながら、日本人とデザインの関係性ってなんなんだろう…とスコールでモヤついた空を見上げましたとさ。

Lyra Blog

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